時間つぶしとしての眠り

かつて長い夜をぶじにすごすことに、人類は苦労したことでありましょう。


明と暗とは、文字どおり外界の光の強さであるばかりか、私たちの心の明暗にも強い影響をおよぼしています。


周囲が暗いと、人は不安になるのです。


動物界の一員としてのヒトは、視覚に頼る哺乳類ですから、目から入る情報がすくなくなると、不安になるのはとうぜんです。


それに、外敵が近づいてもわかりませんから、襲われる危険も増大します。


気温も下がりますから、身体は消耗します。


手探りでは仕事もはかどりません。


こういう不利な時間帯には、できるだけ安全な場所にじっと隠れていることが得策でありましょう。


そして、保温のよい羽毛 布団 通販で買ったねぐらのなかで休息することです。


闇夜の恐怖を避けるには、眠って感覚・知覚を遮断することもたいせつです。


勝手に動き出さないように、ブレーキをかける(筋肉を弛緩させる)ことにも意味があります。


それゆえ、恐いから眠って避けるという技術は、不安で眠れないという一面の裏返しでもあるのです。


恐怖のあまり気が遠くなる、立ちすくむ、眠くなる、といった情動変化は、一見矛盾するようですが、じつは表裏一体のもので動物界にひろくみられる合目的性のある行動です。

睡眠は逃避行動なのか

むかしの人みたいに、眠りは死と同じものだ、と考える現代人はいません。


ですが、ふたたびシェイクスピアに登場してもらいましょう。


ハムレットは、「生か、死か、それが疑問だ」という有名な台詞につづいて、こう言います。


「死は眠りにすぎぬ・・・それだけのことではないか。


眠りに落ちれば、その瞬間、一切が消えてなくなる。


胸を痛める憂いも、肉体につきまとう数々の苦しみも。


願ってもないさいわいというもの。


死んで、眠って、ただそれだけなら!眠って、いや、眠れば、夢も見よう。それがいやだ。」


・・・逃避としての眠りがうまく機能しないとき、浅い眠りに苦しめられます。


不快な夢、不吉な夢にうなされるのです。


起きたからといって、気分がすぐれるわけでもありません。


いっそ、眠りなんてなかったらどんなに楽だろう、と思ってしまいます。


眠りをこんなふうに解釈している人もいるはずです。


夜尿常習のこどもだって、羽毛 布団 販売で購入した布団をおもらしで濡らしてしまったら、布団やシーツを眺めながらそう思うことが多いでしょう。

無用の長物としての睡眠

回復説に真っ向から挑戦して、睡眠不動化説を提唱したのが、メディスです。


睡眠不動化説というのは、ウェブの分類に従えば、いくつかの説を組合せたものになりますが、睡眠学説のなかでは「過激な」理論といえまもっともしょう。


メディスは、一日一時間足らずの眠りで長年健康に生活している人たちの例をあげながら、睡眠の役割は疲労回復にはないと断定し、やがて文明人は睡眠なしに生きることも可能だ、と推論しているのです。


睡眠不動化説によれば、睡眠とは動物が外部環境に適応して生存をはかるために、もっとも有効な手段として開発した技術なのですが、本来はエネルギーの消耗を避け、外敵に見つかることなく、静かに安全に時をすごすために、生物時計を組みこんで、進化の過程で脳に内蔵した本能である、ということになります。


しかし、眠りが生存のために不可欠の役割を果たしたのは、原始人の時代でした。


羽毛 フトンで眠る現代の人類にとっては、睡眠はいまや進化の遺物でしかありません。


私たちが眠るのは、古くからの睡眠本能が残っているからにすぎないのだ、ということになります。


したがって、この無用の本能を退化させて、いずれ眠らなくてもよいようになれるだろう、というわけです。


とくに、レム睡眠は有害無益ないしは無用の長物であって、爬虫類から受け継いだ欠陥技術だ、という極論になります。


もちろん、回復機能に関しては覚醒中もじゅうぶんに実現可能だ、と主張するわけです。


ノンレム睡眠はレム睡眠の改良型ではありますが、無用とみなせる点は同様なのです。

生物リズムとしての睡眠

本能のプログラムの現れとして、睡眠が生物リズムに依存していることもあげられます。


眠ろうと眠るまいと、眠気は体内にセットされた時計仕掛けによって駆動されます。


海外旅行で味わう時差ぼけは体内の「生物時計」の時刻と現地の時刻とがずれたためにおこる現象です。


ほとんどすべての生き物は、活動と休息の「生物リズム」をもっています。


このリズムは地表の24時間の日周期に合せることのできるように、本能がセットしてくれた生まれつきのものです。


スイスの睡眠研究者アレクサンダー・ボルベイ博士は、睡眠調節の二大要素として、「生物リズム」と「先行する覚醒量」とを組みこんだ数学モデル(二過程モデル)をつくりました。


睡眠は、羽毛 ふとんや生物リズムの影響によって周期的に変化する量Cと、覚醒量に依存してふえる睡眠欲求量Sとの二つの過程で調節されている、と考えるものです。


このモデルは、単純な前提を使いながら、正常な成人の単相性の睡眠-覚醒リズムをうまく説明できる
ばかりでなく、パラメーターを変えることによって、昼寝のばあいや欝病のような不眠のばあい、あるいは動物の多相性の睡眠など、現象をよく説明できるので、高い評価が与えられています。

睡眠プログラムがあるから眠るのか

睡眠は本能行動のひとつです。


だから、教わらなくても、私たちは自然に眠れるわけです。


食欲や性欲と同様に、本能はその行動に対する強い欲求と、それが満たされたときに感じる喜びとを、自動的に与えています。


行為にはそれなりの代価が支払われるわけです。


睡眠も同様で、いつもの場所で専用の寝床に入るとき、私たちは知らず知らずのうちに、喜ばしい気分に浸れることになります。


眠れば孤独な無防備状態になりますから、不安を感じてもよいはずですが、ふつう私たちは就眠するとき、一日の労苦から解放され、深い安堵の念を抱きながら、静かに横たわることができます。


これは、本能がちゃんと報酬をくれるからです。


眠るためには、決った寝場所が必要となります。


寝室や羽毛 布団のような寝具があるのは、文明人だけではありません。


自分専用のねぐらをもっていて、そこでまとまった長さの休息を取るという習慣は、ほとんどの動物に共通しています。


道具を使えない動物ですら、ねぐらに関しては、もっとも安全であるように慎重に選び、もっとも快適であるように巧妙に設計しています。


これも多くは、内蔵された本能のプログラムのおかげで、教わらなくてもできるようになっています。

免疫過程としての睡眠

睡眠が生体防御に役立つという古くからの考えが、免疫科学の面から新しく見直されています。


つまり、睡眠は免疫増強過程である、という新説です。


アメリカの生理学者ジェームス・クリュガー博士は、長年にわたって「S」という睡眠物質を探してきました。


そして、ようやく1984年にその本体を突き止めました。


予想に反して、その物質は免疫増強物質であり、同時に発熱物質でもあるムラミルペプチドでした。


ムラミルペプチドは、細菌の細胞壁を構成する物質です。


こんな異物が、深いノンレム睡眠を誘発するという奇怪な事実から、話が急展開を遂げてきたものです。


それによると、覚醒時に腸内細菌や食物から取り込まれたムラミルペプチドが体内でふえると、これが一種のビタミンとしてはたらいて、深いノンレム睡眠を誘発する物質をいくつも体内に放出させるのです。


それらの物質が脳に作用した結果、深い眠りがひきおこされ、覚醒中に低下した生体防御機能が回復することになります。


それゆえ、細菌感染で発熱をおこしたようなばあいにも、ノンレム睡眠がおこりやすくなり、結果として健康回復を促進するわけです。


この説にはまだいくつかの間題は残されているにせよ、睡眠の役割が新しい発想で説明されています。


ムラミルペプチドにかぎらず、最近さまざまな睡眠物質をめぐって研究がめざましく進展しているので、睡眠機構を解く新しい手がかりが得られるのではないかという期待が高まってきました。

睡眠に課せられた役割

ホーン博士によれば、ヒトのばあい、深いノンレム睡眠をふくむ、眠りはじめの数時間が、私たちに必須の中核睡眠であり、以後の眠りはおまけの随意睡眠となります。


だから、忙しい現代人は中核睡眠だけを確保すればよく、睡眠時間をもっと短縮できるはずだ、という主張になるのです。


たとえていえば、飽食時代の現代人が食べ物や飲物をもっとへらしても、栄養面でなんら不都合がないのと同じことなのです。


・・・では、なぜ深いノンレム睡眠が現代人にとって必須なのでしょうか?


それは、この眠りは脳とくに大脳の疲労回復には欠かせないからです。


大脳の極端に発達した人類は、深いノンレム睡眠によって神経機能を回復させ維持させている、と考えられます。


身体の疲労なら、眠らなくても回復可能ですが、大脳の疲労にはこの特殊な眠りによる休息がなければ回復できない、と考えます。


言いかえると、ヒトでたいせつなのは深いノンレム睡眠だから、これが睡眠期の初期に現れる中核睡眠に多いのです。


後半以降の随意睡眠にはレム睡眠がしだいにふえるのだ、ということになります。

科学と睡眠

人は人生の3分の1を眠って過ごします。


たまに無眠ということができる特殊な人がいるようですが、ほとんどの人はきちんと眠らなければ健康な生活を送ることは出来ません。


しかし、眠りすぎても病気になりやすいといわれています。


人はいったい、どれくらい眠ればいいのでしょうか。


そして、そんな睡眠の役割とは何かについてをこのブログで考えていきたいと思います。


イギリスのラフバラ大学人間科学部の心理学者ジム・ホーン博士は、身体のために睡眠はなくてもよいが、脳の回復あるいは保全のためには最小限度の睡眠は必須だ、と主張しています。


脳の発達程度に対応して、この重要な器官の機能回復ないし保全のために、どうしても必要となる睡眠量つまり中核睡眠が動物ごとに決まってくる、とかれは推論しています。


しかし、多くの動物はそのほかにも、とくに活動しなくてもよい時間を眠りに当てて、省エネルギーなど生存上の策略に役立てているのです。


これがいわばおまけの睡眠(随意睡眠)ということになります。

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